No! No!
「アルツハイマー系」と「オトコ脳オンナ脳系」です。なんというか、タイトルに「脳」をつければいいってもんじゃないでしょ、と思います。
●朝日選書『脳はどこまでわかったか』井原康夫 編、朝日新聞社、2005/3/25 ISBN:4022598719
脳のない生物はいるけれど、脳や心だけがあって身体のない生物はいまだかつて存在したことがない。脳は進化の過程で生物が身につけた、より生きやすくなるためのシステムなのだろう。脳の中では、たんぱく質がダイナミックに反応を起こしている。複雑な心の働きも、運動のコントロールも、ミクロに見ていくと、脳の中の化学反応にいきつくはずだ。この精巧きわまりない脳という不思議は、科学の言葉でどこまで説明できるようになったのだろう。いまはまだわからないのは、どんなことなのだろう。そしてこれから、何が見えてくるのだろう。
■目次
脳はどこまでわかったか:イントロダクション 早期教育はほんとうに意味があるのだろうか 心とは何なのだろうか:ロボットと人間 頭がよいってどういうことだろう 外側から脳を調べる 脳の「操縦士」はどこにいる 経験を積み重ねてつくられる神経回路 なぜ、ものを覚えていられるのか:記憶のしくみ 「ボケ」はどうして起こるのか パーキンソン病のしくみ 不思議なプリオン病 「ノックアウトマウス」でわかったこと 発生から見た神経回路のでき方 「ボケ」も治る?:大人の脳にもあった「神経幹細胞」
■著者紹介 井原康夫:1945年生まれ。東京大学大学院医学系研究科神経病理学教授。専門分野はアルツハイマー病。1971年東京大学医学部医学科卒業。ハーバード大学リサーチ・フェロー、東京都老人総合研究所生理学部臨床第2生理研究室長などを経て現職。文部科学省特定領域研究「先端脳」代表
◆井原康夫氏の著作
- 『アルツハイマー病はここまでわかった』クバプロ、2004/08出版 175p ISBN:4878050446 1575円
- 『ボケを防ぐ本(ビタミン文庫 ) アルツハイマー病の危険因子から自らを守る最新医学』植木彰と共著、マキノ出版 1999/05 190p ISBN:4837611095 1365円
- 『アルツハイマ−病の新しい展開(新臨床医のための分子医学シリ−ズ ) 分子メカニズムから今日の臨床研究まで NR9』 羊土社 1999/05 170p ISBN:4897065488 3990円
●『B&Tブックス トコトンやさしい脳の本』田中冨久子 著、日刊工業新聞社 2005/03 ISBN:4526054399 149p 1470円
脳の仕組みが、医学・科学の発達により次第に解明されてきている。特に最近では、生後、個性性差を形作る「新しい脳」と、太古からの情報を持っている「古い脳」の部位、機能、神経分泌物、作用などがわかってきた。本書は、脳に隠された秘密を図解とやさしい文章でわかりやすく解説する。
■著者紹介 田中冨久子:1964年横浜市立大学医学部卒業。69年同大学大学院医学研究科(生理学専攻)修了。医学博士。その後、同大学医学部生理学副手、助手、講師、助教授、米国留学などを経て、1985年横浜市立大学大学院医学研究科教授。2004年横浜市立大学医学部長。専門は、生殖生理学、神経内分泌学、脳科学。日本内分泌学会(理事歴任)、日本生理学会(理事歴任)、日本神経科学学会(理事、会長歴任)、日本神経内分泌学会(理事、会長歴任)、日本生殖内分泌学会(理事、会長歴任)。雑誌「性差と医療」(じほう)の編集委員
◆田中富久子氏の著作
- 『脳の進化学 男女の脳はなぜ違うのか』中公新書ラクレ、中央公論新社 2004/10 254p ISBN:4121501519
- 『女の脳・男の脳』NHKブックス、日本放送出版協会 1998/01 236p ISBN:4140018216