「ダカーポ」2004 8/4号 542号

●文庫本特集
 鈴木謙介氏おすすめ:『少年たちの終わらない夜』鷺沢萌 著、河出文庫

表題作のなかで、つきあっていた彼女が昔先輩に遊ばれていたことについて“めげたっていうより、ツマンなくなった”と答えるくだりが出てくる。
「めげるのは目的意識があるからですが、挫折したからツマンないのではなくフタを開けてみればツマンない日常しかないということなんですね。... それは小説にかぎらず、80年代後半から90年代前半にかけてあらゆるサブカルチャーでおきた現象ですが、... (以下略)

●著者インタビュー 高崎真規子『少女たちはなぜHを急ぐのか』NHK生活人新書
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吉田司が読む話題の本『イラク ユートピアへの埋葬』スラヴォイ・ジジェク著、河出書房新社

かくてこの本のクライマックスは「問題は戦争か平和ではない」と言い切るところだ。「この戦争にはなにかおそろしく間違ったものがあり、その結果として、何かが取り返しがつかぬまでに変容してしまう、という『腹の底からの感覚』であり、それは無根拠なものではない」。そして、「いま真に問われているのが国際社会の未来であり──それをコントロールする新しいルール、新世界秩序のあるべき姿なのである」。 >>つづきは本誌へ