理論とモデルで将来を予測する
●「理論とモデルで産業の将来を予測すべき」、クリステンセン流未来予想法の要諦
2004/11/09 http://biz-inno.nikkeibp.co.jp/showcase/article20041109.shtml
「大企業は正しいと判断したことを実施して、なおかつ失敗することがある」 ─ クレイトン・クリステンセン ※ 以下、クリステンセンとの共著者(「SEEING WHAT'S NEXT」)のスコット・ アンソニー氏へのインタビューより。 「未来を予見することは非常に困難だ。そのためにできることと言えば、データ を集めることしかない。しかしデータが教えてくれるのは、過去に起きたことで あり、未来に起きることではない」 「仮にデータから何らかの結論を導き出せたとしても、それでは遅い。データで はなく理論や理論に基づくモデルを使って、産業の将来を予測すべきだ」 理論に基づく予測によって把握すべきはもちろん、破壊的イノベーションであ る。米サウスウエスト航空のような低コストの航空会社の新規参入、従来にはな かった価値を提供するMP3のような新技術の出現、といった破壊的イノベーション の兆候をいち早くつかむことが最重要という。 ………… アンソニー氏によれば、破壊的イノベーションの兆候は消費者の動向に表われ る。それには二つのタイプがある。 一つは、既存の商品やサービスの顧客ではなかった、全く新しい消費者が現れる ことだ。例えばパソコンは、メインフレームといった従来のコンピュータの主要な 顧客であった大企業ではなく、以前はコンピュータを利用していなかった個人から 広まっていった。 もう一つは、既存の商品やサービスを「過剰」と感じる消費者が出てくることで ある。このような消費者は、品質が劣っていても基本性能を備えた価格の安い商品 やサービスを求めるようになる。