電子辞書専用コンテンツの可能性と課題

SAKAUE's blog より
電子辞書研究会第1回大会での関山健治氏の発表「電子辞書専用コンテンツの可能性と課題」について(2004年3月26日,於:早稲田大学

電子辞書専用コンテンツの可能性と課題 発表者:関山 健治氏(沖縄大学
内容:
電子辞書の専用コンテンツには何があるか,メリットは何か,その課題は何かということについてのご講演。一例として,電子辞書専用のシソーラスの構想が述べられた。今のものは,ただ単に類語の羅列で読みにくいし,どれが上位語で下位語なのかが分からないし,などなど問題を抱えているが,これを解消するには,三次元的な情報配列により,類語間の関係把握促進が期待できるだろうという提案がなされた。課題としては,インターフェイスの問題,既存のコンテンツとの連携,ハードの問題が挙げられた。
思ふこと:
提案の中に,

冊子体コンテンツをそのままの状態で電子化しているために使いにくくなっているいるコンテンツを電子辞書専用にリフォームすることで,使いやすくできないか?(太字は,筆者)

というものがあった。激しく共感。つまり,電子化したメリットを活かしたコンテンツにせよということだ。電子化するメリットのひとつには,「情報の配置が,(ちょっと大袈裟だが)自由自在に変えられる」ことがある。これを活かし,そして,何のために辞書を利用するのか,その利用目的に応じた提示内容・提示方法を考え,それを実現するのはどうだろうか。例えば,「リーディングモード」とかそれぞれの活動に応じたモードがあって,それを選択すると,提示内容が最適なもの(何をどう提示すれば最適なのかは,これから考えます)になる機能とか。...

以下、思ったこと。

  • コンテンツの見栄えを変更するならXML化が必須
  • タグ付けができれば、英和辞典・類語辞典シソーラス)をシームレスに統合し、表示することは簡単。ただし、どのようにトランスフォームするかについては、応用英語学・認知科学(わかりやすいインターフェイスの設計)などの専門家も加わって設計しなければならないだろう。そうしないと、「情報は載っているんだけど。。。」という事態に陥る。あと、実作業時には、XMLに熟達したベンダーにも協力してもらわないといけないだろう。
  • XML化ができれば、いわゆる電子辞書にだけ搭載する必要はない。PCでもウェブでも、どこからでも見ることができるようになる。「ユビキタス辞書」?
  • そして、ウェブでのCSSのように、各ユーザーが自分の好きなように見栄えを変更できるとうれしい。【関連リンク】”使える”パーソナライズ技術登場の気配 from Passion For The Future
  • 和英辞典を含め「英和辞典・類語辞典シソーラス)をシームレスに統合」できれば、真の「ハイブリッド方式」が実現される?
  • Sekkyさんの「三次元的な情報配列」というのはどのようなものをイメージしているかわからないが、「Word Menu」(http://www.wordmenu.com/)を発展させたものになるのではないか。これをウェブベースにすれば、擬似的に3次元化も可能? たとえば、意味の系統樹をポップアップさせる(あるいは別ウィンドウで表示させる)とか。語義のみポップアップさせれば、電子辞書のスーパージャンプの代わりになる。