『原生計算と存在論的観測──生命と時間、そして原生』郡司ペギオ-幸夫 著(東京大学出版会)

しばらくしたらバックナンバーがアップされると思います。→http://www.aguni.com/hon/back/183.5.html

※メール末尾に次号予告あり! 青山BCが倒産してしまうなんて!

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郡司ペギオ-幸夫『原生計算と存在論的観測──生命と時間、そして原生』
東京大学出版会、A5判576頁、税込6510円/本体6200円、ISBN 4-13-010097-1

オートポイエシスや自己組織化理論を乗り越える、内部観測論の決定版!

世界を観測しようとする物/者は常に局所的でありながら超越的概念を言明するパラドクス。本書はこれを実在と表象のコード化の起源探求と捉え、実在論を否定し存在論の領域へと踏み込む。意識、私、理解、発見=発明、進化などの問題を扱いながら抽象的隠喩的な数理モデルを援用し解読する。

http://www.utp.or.jp/shelf/200407/010097.html

※緊急告知!※ 都内某書店にて9月上旬に著者講演会開催予定! 詳細は決定次第、東京大学出版会HPにて告知いたします。http://www.utp.or.jp/
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■ 『原生計算と存在論的観測』 について / 五月

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早い店舗では明日から店頭発売になる、郡司ペギオ-幸夫教授の新著『原生計算と存在論的観測』(東京大学出版会)は、前著『生命理論』全2巻(哲学書房、2002年、2003年)に続く待望の第二作目です。前著はそのきわめて高度な難解さにもかかわらず大きな反響をもって迎えられ、社会学者の大澤真幸さんも「熱狂的に支持されてきた郡司理論がアクセスしやすくなったことを、喜びたい」と絶賛されています。

「生命とは何か」という問いの核心を、生成=存在論としてとらえ、その意味を洗い直し解読を試みる教授の理論的成果は、哲学(思惟)、科学(認識)、芸術(感覚)の接合面を縫う特異なものになっています。教授はドゥルーズウィトゲンシュタインの思想を援用しますが、それらは単なる傍証的読解の域をはるかに越えるものです。(以下略)

担当編集者は、長谷川一(はせがわ・はじめ)氏。1966年生まれ。東京大学出版会編集部。東京大学学情報学環・学際情報学府博士課程。著書=『出版と知のメディア論』(みすず書房、2003 ISBN:4622070294)ほか。以下、担当編集者のことばより。

著者の議論は、一方では独創的で興味深いものと賞賛され、もう一方ではしばしば難解で韜晦と評されてきた。わたしは著者の研究に十分な論評をくわえるに足る資格をもつ者ではないが、ひとつだけ、個人的に要諦と考えているポイントを記したい。それは、本書での著者の志向が「実践のための理論」に向かっているということである。

こうした言い方は、ある種の読者にとって、本書の表面的なスタイルから受ける印象とは、もしかすると異なっているかもしれない。だが著者は、現実をより「うまく」説明しようという一般的な社会科学的態度──あるいは「理論家」のスタイル──をとうに突き抜けている。それは理論のための理論なのではなく、つねに現実に介入し、よりよく組み換えていくための装置としての理論なのだといってもよい。
(以下略)