ウォーラーステイン「ブッシュ政権の外交政策」

ウォーラーステイン(エール大学)が日経新聞 経済教室(2005.01.13)にブッシュ政権外交政策について書いていた。同欄の要約は、以下のとおり。

 米ブッシュ政権の二期目は、イラクからの米軍撤退の圧力が強まるのは確実なうえ、世界の他の地域でも打つ手に乏しく、一転して内向きになる可能性がある。そうなれば米国のプレゼンス(存在)低下を埋めようとする有力国のせめぎ合いで、世界は不安定になりかねない。

同氏は、結論的には、次のように述べている。

 要するに、ブッシュ大統領にはあまり打つ手がない。そして大統領は現実的で抜け目のない政治家であるから、勝ち目のないゲームには手を出さないだろう。

外交に関しては打つ手なし・内政重視・伝統的な右寄りの政策運営なるだろうとしている。
最後は以下のように締めくくっている。

 米国は、ブッシュ大統領が政権の座に就いた二○○一年に、既に覇権を失いつつあった。一期目の四年間で世界における米国の地位を回復しようと努めたブッシュ大統領は、実際には弱体化を進行させたと言える。米国とブッシュ政権は、二期目にその愚行の報いを受けねばならない。

うーん、打つ手がなくなると、それは何でもありと同じことになってしまうような。だったら、(打つ手があるかのごとく)何らかの誘導をしたほうがいいんじゃないかなぁ。たとえば、経済面では「パルミサーノ・レポート」みたいな(ダウンロード可能)。ここまではっきりしたもの(提言)でなくてもいいけど。

●InfoWorld: IBM, others push for greater U.S. innovation
http://www.infoworld.com/article/04/12/15/HNinnovationpush_1.html
●「パルミサーノ・レポートの衝撃」日経コンピュータ 2005.1.10号
●記者の眼 [2004/02/17]「パルミザーノ・レポート」に20年前の悪夢を見るのか,日本のハイテク産業
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20040216/139884/