新潮文庫新刊 2006年2月28日発売

春になったら莓を摘みに 梨木香歩
「理解はできないが、受け容れる」それがウエスト夫人の生き方だった。「私」が学生時代を過ごした英国の下宿には、女主人ウエスト夫人と、さまざまな人種や考え方の住人たちが暮らしていた。ウエスト夫人の強靭な博愛精神と、時代に左右されない生き方に触れて、「私」は日常を深く生き抜くということを、さらに自分に問い続ける――物語の生れる場所からの、著者初めてのエッセイ。

春になったら苺を摘みに (新潮文庫)

春になったら苺を摘みに (新潮文庫)


小鳥たち アナイス・ニン 矢川澄子・訳
妻の反対を押し切って引っ越した屋根裏部屋から近くの学校の女学生の姿を楽しんでいた画家は、やがて小鳥を飼い始めた。それを口実に少女たちを部屋に誘うが、自分のものを見せたい衝動を抑えられない──表題作ほか全13編収録。ヘンリー・ミラーとの奔放な愛に生きた美貌の女性作家ニンが、一人の老人コレクターの楽しみのために匿名で書いた、繊細で脆く、強烈で妖しいエロチカ。

小鳥たち (新潮文庫)

小鳥たち (新潮文庫)


知りすぎた女 フリーマントル 松本剛史・訳
義父が経営するウォール街の国際会計事務所の重役であるカーヴァー。彼は事務所が長年マフィアと深く関わっていることを突き止めた直後、謎の死を遂げる。この事件をきっかけにカーヴァーを愛した二人の女の運命が交錯する。夫を信頼してきた良妻ジェーンと愛人の経済記者アリス。皮肉にも二人は手を結び、真相を探り始めたが、マフィアのみならずFBIにまで追われる事態に……。

知りすぎた女 (新潮文庫)

知りすぎた女 (新潮文庫)