DHBR 2006年8月号 特集:「ものづくり」の戦略モデル

DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2006年8月号
特集:「ものづくり」の戦略モデル

イノベーションに外部性を働かせる
P&G:コネクト・アンド・ディベロップ戦略
ラリー・ヒューストン  プロクター・アンド・ギャンブル バイス・プレジデント
ナビル・サッカブ  プロクター・アンド・ギャンブル シニア・バイス・プレジデント
■ 自社開発に固執したイノベーション体制では、まず「持続的かつ安定的な売上げ増」は実現しえない。
プロクター・アンド・ギャンブルでは、「コネクト・アンド・ディベロップ」と呼ばれるオープン・
イノベーションが奏功し、R&D効率を大きく向上させ、全社のイノベーションの三五%超を生み出している。
この戦略モデルとその仕組みについて、推進担当者みずからが語る。


成功確率を高めるために
R&Dに「破壊的イノベーション」理論を応用する
スコット・D・アンソニー  イノサイト マネージング・ディレクター
マット・アイリング  イノサイト・キャピタル マネージング・ディレクター
リブ・ギブソン  ベル・カナダ・エンタープライズ コーポレート・アドバイザー
■ イノベーションの成否を予測することはできない――。ほとんどのビジネス・リーダーがそう考えている。
しかし、クレイトン・クリステンセンが唱えた「破壊的イノベーション」という考え方を応用すると、
イノベーションの成功確率を高めることができる。本稿では、その具体的方法を解説する。

「コラボレーションのリスク」を読み解く
イノベーション・エコシステム
ロン・エイドナー  INSEAD 准教授
■ イノベーションを優れた製品として最終消費者に届けるまでには、パートナー企業による協力や努力、
さらにはそのイノベーションを生かすための補完的イノベーションの開発すら必要な場合がある。
複数の企業の力を束ね、一つのソリューションとして顧客に提供する「イノベーション・エコシステム」は、
いまでは珍しくないが、そこにはメリットに負けないほどのリスクがある。
その多様なリスクを三つに分類しつつ、自社戦略に織り込む手法を紹介する。

六つの要因から医療制度の不備を分析する
医療業界でイノベーションが失敗する理由
レジナ・E・ヘルツリンガー  ハーバード・ビジネススクール 教授
■ 医療は創造性を欠くことのできない事業分野の筆頭である。にもかかわらず、アメリカの医療制度は
コストがかかりすぎ、エンド・ユーザーであるはずの患者は不便を強いられている。
何が医療業界のイノベーションを阻害しているのだろうか。
イノベーションの成否を左右する六つの要因の関係を分析することで、その対処の方法もおのずと見えてくる。
他の国でも、他の業界でもこの分析手法は応用可能である。