『思想なんかいらない生活』勢古浩爾 著、ちくま新書
読了(参考:id:editech:20040618#p3)。笑えるのでオススメ(特にサブカル・思想系の本で撃沈した人)。本書ではさまざまな書籍・論者を罵倒しているが、勢古浩爾(せこ・こうじ)氏が多少なりとも評価している本は以下のとおり。
『哲学ってなんだ』竹田青嗣 著、岩波ジュニア新書(85ページ) 『学校の現象学のために』小浜逸郎 著、大和書房(123ページ) 『可能性としての家族』小浜逸郎 著、大和書房(123ページ) 『世紀末のプロ野球』『読売巨人軍再建のための建白書』『プロ野球批判宣言』 草野進(=蓮見重彦)[他] 著(139ページ) 『反=日本語論』蓮見重彦 著、ちくま文庫(143ページ) 『スポーツ批評宣言』蓮見重彦 著、青土社(149ページ) 『成城だより(上・下)』大岡昇平 著、講談社文芸文庫(200ページ) 『エリック・ホッファー自伝』エリック・ホッファー著、作品社(220ページ) 『波止場日記』エリック・ホッファー著、みすず書房(220ページ) 『望郷と海』石原吉郎 著、ちくま文庫(239ページ) 『クラッシュ』太田哲也 著、幻冬舎文庫(244ページ) 『古武術に学ぶ新体操法』甲野善紀 著、岩波アクティブ新書(249ページ) 『最強伝説 黒沢』[マンガ]福本伸行 著、小学館(251ページ) 『工場日記』シモーヌ・ヴェイユ著、講談社文庫(255ページ) 『猛烈サラリーマンの反乱』原敏恭 著、日本の民事裁判を考える会(268ページ) 『名もない道』[写真集]、二見書房(275ページ)
この中では『望郷と海』は読みたいかな。『反=日本語論』は単行本で読んだ(『表層批評宣言』も同様)。
以下、ひと言感想と疑問。
- その人の人格・品性と著作は別ものなのでは、と思った。たとえば、作家の人格・品性とその作品を同列に論じても意味はないので。でも、「発言」と人格・品性はちょっと関係するな。。切り分けるのは難しいところではある。
- 「わたしにとって『海辺のカフカ』は、... 村上はまあずいぶんと読者を舐めた中途半端な小説を書いたもんだな、で終わってしまった小説なのだが」(101ページ)▼そんなによくなかったかな。。。
- 柄谷行人の著作の英語版が刊行されることに関して。「どれだけの部数なのか。現在、海外の人文・社会学系の学術書はふつう数百部の出版である」(135ページ)▼数百部? ほんとですか。
- 230ページの「けっこう適当な大衆の四面層」がよい。
- 「吉本隆明はわたしが唯一恩恵を蒙った「思想家」である。かれの「思想」だけがこの世界のなかで、またわたしの半生のなかで、例外的に唯一役に立ったのだ。」282ページ▼具体的によくわからないが。。。「吉本隆明論(仮)」を発表したいとのこと。